2021年も新年度を迎えましたが、引き続き今年も企業にとっては「新しい生活様式」「DX」がキーワードとなるでしょう。
プログラミング不要でモバイルアプリやWEBアプリが作れ、企業のデジタル化を支援する「ノーコード」は2020年話題をさらいましたが、引き続き有力なツールであることは間違いなく、トレンド継続の予兆があります。
それを裏付けるように、3月下旬~4月初頭にかけて日本企業がローンチする新規ノーコードツールのプレスリリースが相次ぎましたので、本記事で紹介したいと思います。
ノーコードというと海外(主に米国)生まれのツールが台頭していますが、国産のツールという選択肢が増えることで更なる盛り上がりがみられそうです。
【3月29日リリース】 株式会社NappsTechnologies
Magic Instructionsは、Googleスプレッドシートに写真やテキストを入力していくだけで、プログラムコードを書かずに全自動でスマホアプリを作成できる国産ノーコードツールです。テンプレートを選びスプレッドシートを編集するだけで、自社のアプリが一通り完成する仕組みとなっています。テンプレートの傾向としては飲食店、アパレルなど店舗向けのものが多く、店舗のデジタルマーケティングをターゲットとしたツールであるといえそうです。
【3月31日リリース】 株式会社フォーエム
Web Publisherを対象とした、ノーコードWeb Storiesジェネレーターが「Story Engine」です。Web Storiesとは2018年にGoogle社より発表された、動画、画像、テキスト、アニメーションなどを組み合わせ動的かつ高速に表示するコンテンツ・フォーマットです。スマホ端末に最適化した技術で、InstagramなどSNSでは定番となっているほか、最近では大手メディアのサイトでも取り入れられています。ノーコードで誰でも簡単にWeb Storiesを実装できることで、エンジニアに頼らず高度で魅力的なメディア発信ができそうです。
【4月1日リリース】 株式会社ジャスミンソフト
Wagbyは日本初のローコードツール(全くコードを書かないわけではないが、少ないコードで開発できるツール)として知られ、2008年から長らくローコード市場では有名な存在でした。それが4月からはクラウド対応の新しいノーコードツールとなり、従来のローコード製品はWagby EEと位置付けて双方向に展開していくことが発表されました。ブロックを配置していくだけで業務アプリを実装していくことができ、自社システムの内製化を支援するツールとなっています。画面を見たところ、小中学生のプログラミング学習用ツールとして有名なScratch(スクラッチ)に近いようなデザインで、処理が記述されたブロックを組み合わせていくビジュアルプログラミング環境に近い印象を受けました。
【4月1日リリース】 株式会社ファインズ
aremoはノーコードで店舗アプリ・プラットフォームを作成できるツールです。クーポン配信・トーク機能・オンライン会員証など30種類以上の機能を搭載し、リピーターを増やす、つなぎとめる、ファン化させる、の3つのリピート施策を実現させ、店舗運営のDXを推進していくことが可能です。詳細な顧客分析や外部予約システムとの連携も実現できるということで、かなり本格的なシステムといえそうです。
以上4つのフレッシュなツールを紹介いたしましたが、それぞれ機能、用途、特徴が異なっており、ノーコードの可能性・多様性を示しているといえます。自社の事業にピッタリのツールがあったら試してみてはいかがでしょうか。
さて、続いては長らく定番となっている日本発のノーコードツールを見ていくことにしましょう。
【2011年リリース】 サイボウズ株式会社
プログラミング不要の業務用WEBアプリ作成サービスとして有名なのがkintoneです。社内に散在する様々な情報をスピーディーに集約し、管理・共有する基盤(ポータル・グループウェア)として活用できます。新型コロナウイルス対策として神奈川県をはじめ各自治体で利用されたことも話題になりました。
【2017年リリース】 アステリア株式会社
Platioは100種類以上の豊富なテンプレートを元に、それらをカスタマイズするだけで現場の業務に応じたアプリを直感的かつ簡単に作成できるノーコードツールです。新しい生活様式に対応したアプリを一早くテンプレート化したことも注目され、大手~中小まで豊富な導入事例があります。前述のkintoneとの違いとしては、モバイルに特化したアプリが作成でき、プッシュ通知やオフラインユースにも対応している点です。
kintoneもPlatioも、機能やテンプレートのアップデートが繰り返されており、常に時代に適合したツールとなっています。多くの企業で採用され、導入事例、業務改善の成功例も豊富なため、導入に際しての安心感もあるといえるでしょう。
今回の記事では、新しく登場した日本発のノーコードツールを紹介いたしました。ノーコードツールというと海外のサービスが多く、日本語非対応、ヘルプやサポートも英語という環境面がネックになることがありました。国産ツールのラインアップが充実することで、国内企業でもますますノーコード導入の機運が盛り上がってくることでしょう。2021年も引き続きノーコードから目が離せない状況が続きそうです!